鎌倉、大船、逗子、藤沢 臨床心理士によるカウンセリング
当相談室の心理療法は、ユング派の分析心理学をベースとして行っております。
ユング派の心理療法の大きな特徴として、以下のようなことが挙げられます。
①人の存在を「魂」として理解する。
ユング派の心理療法は、人の存在を「魂」としてとらえています。「魂」とは、日常的に考えたり、感じたり、行動したりする意識を越えて、なぜ生きているか、その意味を深いところで理解している、智恵に満ちた存在です。魂から見たときに、現在抱えている問題は、偶然に出てきたものではなく、それを乗り越えることでより成長するために起こっていると考えます。魂の成長に年齢は関係ありません。自分を深く見つめることで、問題の根っこにある「魂」を理解すれば、自然とその人自身が深いところから変化し、問題への解決が生じると考えています。
②自然治癒力による変化
ユング派の心理療法では、自然治癒力の働きにより癒しがもたらされると考えられています。自然治癒力とは、心の傷を治そうとする、本来備わっている生命力です。安心できるセラピストとの関係や空間・時間の中で、その人自身が自由になってくると自然治癒力が働きだし、回復への流れが生まれます。セラピストは、その流れを支え、促進する役割をもっています。そのような変化は、外側から押し付けられたものではなく、内側から自然と生じてくるものなので、ご自身も深い納得や「腑に落ちる」感覚があり、その感覚は後戻りすることはなく、しっかりと根付いていきます。
③イメージを用いた心理療法
ユング派の心理療法では、夢や描画などの分析を通じ、そこに表現されたイメージから無意識を理解します。無意識には、意識にはとても収まり切れない情報が蓄えられており、それがその時々必要な形でイメージとして表現されます。それを受容・理解することで、心はどんどん自然なあり方へと変化していきます。また心は夢と現実を区別できないため、夢で見られたことは、心にとって現実であるとも言えます。また逆も同様に、現実を夢として理解することもできます。夢を見ないという方もご安心ください。お話になったことは、すべてイメージとして受け止め、理解することができます。
④枠組みの中で自由であること
何を話すか話さないか、いつ話すのか、セラピストに何を質問するか、どんな気持ちでカウンセリングに臨むか、事前に準備をするかしないか、いつまで続けるか続けないか、心理療法の中では自由であることが一番重要です。あなたがどんな形でそこにいてもセラピストは受け止める心の準備をしています。しかしそれをどこまで受け止められるかは、セラピストの心の器次第であるとも言えます。そこには必ず限界があり、その限界が自他の境界の役割を果します。また基本的には自由が保障されている中で、決められた日時を守ること、そして料金がかかること、そのような枠組みは、自由を守るための大切な器になります。心の大きな変化を、セラピストがしっかりと抱えていくためには、週に一回、あるいは二週間に一回、月に一回と、定期的にお会いすることが大事です。とはいえ外せない用事、体調不良や悪天候などの際は、もちろん予約の変更が可能です。お気軽にご相談ください。
⑤心理療法とカウンセリングの違い
このようにユング派の心理療法は、イメージを通して心の深層を理解しながら、自然治癒力を通して、自己を変容させていきます。このような分析的心理療法と、一般のカウンセリングとの違いは、どんなことでしょうか。
【回数】一般のカウンセリングでは、一回のみで終わることも珍しくありませんが、分析的心理療法は、少なくとも10回は、多いと数年かけてゆっくりと解決をしていきます。その人の土台からの変化が起こりますので、あまりにそのプロセスが早いことは危険でもありますし、本当には根付いてないともいえます。しかし一回一回確実に、何かが癒される感覚を得ていただけるものと思っています。
【アドバイス】一般のカウンセリングでは、カウンセラーからの助言を求めていかれる方も多いでしょう。ユング派の心理療法でもアドバイスは時に伝えられますが、基本的にはその方の心の中から答えが導きだされるお手伝いをします。根深い問題ほど、一般的なアドバイスでは解決が難しいのではないでしょうか。「頭ではわかっているけれど、それが難しいから困っている」場合がほとんどです。それも当然のことで、同じ人が一人もいないように、その方が体験されていることは唯一無二のものです。誰にも当てはまる助言が、役に立つとは限りません。
ここまでお読みいただきありがとうございました。こんな風に言われると、身構えてしまい気軽に受けられない、と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。正直心理療法は、受けてみないとわからないところが多くあります。一度きりでもまったく構いませんので、もし心が動いたら、まずは一度試していただくことをお勧めします。初回の最後に、セラピストの理解と解決の道筋についてお伝えします。その後で継続の希望についてお聞きしますので、一度で十分と思われたら、遠慮なくそのようにお伝えください。